さてさて、今回の印刷四方山話はここ横浜の印刷に関するお話。横浜は言わずと知れた国際貿易港の一つ。
ここ横浜が海外貿易の拠点となったきっかけのひとつに “生糸” があげられます。明治時代の横浜はこの“生糸”の一大集積地だったそうです。現在の国道16号線、別名「八王子街道」はその名の通り、八王子や多摩地域から“生糸”つまりは“シルク”を運ぶ主要幹線道路でした(一説には日本のシルクロードとも)。そしてこのシルクを使った加工品の製造も盛んだったそうです。横浜製のシルクのスカーフは当時、外国人達に人気があったそうで、現在でも“横浜スカーフ”というブランドで専門店もあります。このシルクのスカーフの加工の一つに“捺染”という染色作業があります。この“捺染”は染め上げたシルク生地を川などの流水で洗う作業があるのですが、ここ横浜では港に近い「大岡川」や「中村川」などの流域で行われていたそうで、現在も上大岡近辺に“捺染”工場があるそうです(現在は川ではなく恐らく機械洗浄だと思われますが)。ここまで来て “んで?、印刷とどう関係あんの?” ってことになるのですが、実はこの“捺染”工場、ファッションの多様化や海外の安い製品などに押され、だんだんと工場は減少していきますが、その工場跡地に入ってきたのは印刷工場が多かったようです。なぜならば我々の印刷には「水」が欠かせないからなのです。(なぜ水が必要なのか詳しく知りたい方は是非当社見学においで下さい、いつでも大歓迎です!)
そのため多くの印刷業者は水の供給が容易で、なおかつ排水が可能な川の流域を好んで工場を建てたり前出の捺染工場の跡地を利用したのです。現在も多くの老舗の印刷工場が河川流域に多いのはそのためです(横浜以外では東京の神田川界隈のお茶の水や飯田橋近辺・多摩川界隈の川崎や大田区など)。もっとも高度経済成長期以降は河川への排水は皆無となり、環境に配慮した工場がほとんどです。
弊社も環境に配慮したシステムを導入しております、是非見に来て下さい。