今週末のお花見までもつかが微妙なくらい足早に咲き誇ってしまいましたね。
本日は梅と桜について少々。
この時期、花と言えばもちろん桜。
古来より和歌にもよく詠われておりますね。
でもその和歌に詠まれている「花」って、本当に桜ですか?
というお話。
実のところ、奈良時代に編まれた万葉集においては「花」と言えば桜よりも圧倒的に「梅」なんです。(秋の和歌で「花」と詠まれている場合は「萩」ですが)
遣唐使によって日本に伝わったといわれるこの「梅」。
唐の文化の影響が色濃かった当時、貴族の邸宅の庭などに植えられ、そこで梅を愛でて一首…という感じだったのでしょうか。
諸説あってこれが通説ではないのかもしれませんが、当時は香りのない桜よりも花と香りを愛でることができる梅の方が良しとされた…とも私は教わりました。
一方の桜。
こちらは平安時代になるとぐっと勢力を伸ばしてきます(笑)
遣唐使の廃止以来、唐にどっぷり浸かった文化から、国風文化へと移り変わっていったという理由もあるのでしょうね。
おびただしく咲いて儚く、しかし華やかに散りゆく桜が、日本人の気質には合ったのかもしれません。
もちろんだからと言って「梅」が詠まれる事がなくなったわけではありませんよ。
紅梅が好まれた時代、白梅が好まれた時代…と、同じ梅でももてはやされる題材には変遷があるようですが。
これまで「桜」を想像していた「花」を詠んだ和歌は、もしかしたら「梅」を詠んだものかもしれませんよ。
はらはらと散りゆく桜の風情もいいですが、梅の香りを感じながら古に思いを馳せるのもまた一興。
余談ですが、桜と言えば「ソメイヨシノ」。
「願はくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」
桜の歌を多く遺した西行法師の一首です。
どうしても薄桃色の儚げなソメイヨシノのイメージになりがちなんですが…。
しかし、江戸時代あたりまでに和歌に詠まれている桜は山桜なんですよ。
ソメイヨシノは江戸末期から明治初期に作られた品種。
一般に多く植えられたのは明治の中期位らしいですね。
おかげで今こんなに風情のある風景が日本各所にあるのですねぇ。
さて、今週末までが花の見頃、散り頃。
早く仕事が終わった日にはお花見でもいかがですか?
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