新保裕一さんという作家さんがいらっしゃいます。
有名なところだと「ホワイトアウト」や「奇跡の人」など映像化された作品や、
「ダイスをころがせ!」「連鎖」などのベストセラー作品、
また数々の受賞歴がある作家さんです。
新保裕一さんと印刷に何の関わりがあるのかと。
ご紹介するのはもちろんご本人ではなく、彼の作品です。
新保作品がお好きな方はご存知かもしれませんが、
彼の著書で「奪取」という小説があります。
この作品、偽札作りを題材にした犯罪小説なんです。
以前もお札の話を取り上げましたが、
決して当社が偽札に興味がある訳ではありません(笑)
職人さんが主人公に印刷技術を教えるのに、
細かい説明もなく後ろで見学させて
「じゃあやってみろ」で印刷できるようになってしまうといった部分は
そりゃないでしょう…と思ったりもするのですが、
それはどの職種を扱った小説でもありがちな展開という事で目をつぶりまして…。
この作品の中では、
主人公達が偽札を作る過程がかなり詳細に描かれています。
日本のお札というのは、
紙からして一般に流通しているものとは違って
「ミツマタ」という木をを素材としていることや、
インクや版(絵柄)、加工等、特殊技術の宝庫である事などが
物語の展開を損ねることなく、
というよりもそれを乗り越える事が物語の重要なキーとなって描かれます。
もちろん、初出が1995年の小説ですので、
現在の技術は偽造に対してもっとシビアになっているのですが、
これを読むと、以前の記事でも触れた日本の印刷技術の高さ、
また、偽札作りが割に合わないという事がよーーーくお分かりになると思います。
ストーリーが面白い事はもちろん、
テンポも良く、キャラクターも魅力的な作品ですので、
印刷に興味がある方にもない方にも、
偽札作りに興味があるに方もないに方も(笑)
おススメできる作品です。
何か本でも読みたいけど、
特にこれっていう作品もない…という時にでも、
思い出してご一読いただければ幸いです。
ただ、後ろからちょっと見ただけでは印刷機は使いこなせませんのであしからず。
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