blog「チガイ」がワカル豆知識(挨拶状)

『枕草子』
(京都大学附属図書館所蔵)冒頭


本日は、挨拶状に関して少々。

そう、洋封筒に入って送られてきて、分厚いカードに印刷されているアレです。

挨拶状や賞状などに句読点が使われているケースって、あまりないですよね。

ハガキなど少しくだけたものは別にして、
弊社ではお客様から頂いた挨拶状の原稿に句読点が入っていても、
特別なご希望がない限りは句読点をスペースに置き換えてデータを作成します。

「慣例だから」
「そういうモノなんでしょ?」

はい。
もちろん慣例的にそういうモノなのですが、
そこにはきちんとした理由もあるのです。

古文の勉強をした時に、句読点って出てきませんでしたよね?
教科書ではご親切にスペースを入れてある程度文節で区切ってありましたが、
本来はその区切りすらないものだったんです。

ちなみに画像は枕草子。
「春はあけぼの やうやう白くなりゆくやまぎは 少しあかりて…」ですね。
現代人からすると不親切極まりない(笑)
でもこれが、普通だったんです。

句読点というものは意外と歴史が浅く、
使われるようになったのは明治20-30年代以降なんだそうです。

理由は、「読みやすいように」。

ここで挨拶状に話を戻しましょう。

なぜ挨拶状には句読点を入れないのか。
それは、相手の方に対して失礼にあたるからなんですね。

結婚式の招待状など個人的なものは、近年ではだいぶデザイン性も高くカジュアルになり、
句読点が入っているケースが増えてきたように感じます。

ただ会社として差し出す挨拶状になると少々話が違います。
会社としてフォーマルなお知らせ・ご挨拶のために、色々な世代・色々な立場の方に出すわけです。

その時に句読点があるという事は、相手に対して
「本当は日本語に句読点はいらないけれど、
読めないだろうから入れて簡単にしておきましたよ」
という事になってしまう訳です。

もちろん、今の時代句読点が入った挨拶状を受け取ったからといって、
「失敬な!」と腹を立てる方もいらっしゃらないのではないかとは思いますが。

読みやすい方がいいじゃないか!
御尤もです。

ただこんな文化も、謙譲語やら尊敬語、ややこしい敬語を操ってきた
日本人ならではの気遣いなのではないかと思うのです。

ちなみに、挨拶状ってどんな文面にすればいいの?
なんて時には、弊社HP内こちらの文例集ページをご活用ください!
↓↓↓↓↓
http://www.kantop.co.jp/%E5%9B%B0%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E4%BE%BF%E5%88%A9%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/