古典落語での人間国宝といえば、五代目 柳家小さん師匠、三代目 桂米朝師匠、十代目 柳家小三治師匠。
小さん師匠は2002年に亡くなられておりますので、これでご存命なのは柳家小三治師匠だけに。
残念ながら米朝師匠の落語を生で聴くことはできませんでした。
私が落語を好きになった頃には既にほとんど高座にあがられることがなくなっていたので。
お姿を拝見したのは、ご子息であり、お弟子さんでもある桂米團治師匠の襲名披露の時だけでしょうか。
私なんぞが人間国宝の方の芸を評するのは甚だ僭越ではありますが、まったりとしているようでキレがあり、それでいて品のある落語を聴かせてくださる素敵な落語家さんでした。
CDでしか聴けませんでしたが…。
【動画】『地獄八景亡者戯』(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)
米朝師匠といえばこのネタ。
断片的にしか残っていなかったものを米朝師匠が復活させたという大ネタです。
国の宝と賞されたその至芸、一度生で拝見したかったです。
立川談志師匠が亡くなられた時にも感じましたが、高められた芸や思想というものはそれを持つ方の存在自体を大きなものにすると思うのです。
たとえ何年も高座に上がっていなくても、その存在がなくなってしまったときの喪失感は計り知れません。
勝手な話ですが、噺を聴くことができなくても落語界にこの方がいらっしゃれば何だか安心する。
そんな大きな大きな存在感の方がまた一人、天に召されました。
談志師匠の時もそうでしたが、お弟子さんたちや縁の深い方々は米朝師匠とのエピソードを笑いに換えて、高座のマクラとして語られるのでしょうね。
決して不謹慎なのではなく、落語家らしく、素敵なおくり方だと思います。
米朝師匠の高座へは一度も足を運ぶことができなかった私ですが、心よりご冥福をお祈りいたします。
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