探偵の防御率について。
かの名探偵金田一耕助は世界一防御率が低い探偵だという…。
そもそも架空の人物である小説の登場人物の防御率なんて誰が算出したのかと。
そう疑問に思われますよね(笑)
かなり昔ですが、本の雑誌社から出た「活字探偵団」という本で読んだ記憶があります。
算出方法は次の通り。
①シリーズ主要10作品を選ぶ
②探偵が事件に関わってから解決するまでに起きた殺人をカウント
③作品数で割る
つまり、探偵が事件に関与してから解決するまでにどれだけ人が殺されたかの平均値という事ですね。
ちなみに検索したらありました、この時の結果が。
1位 エラリー・クイーン(著者:エラリー・クイーン・米) 0.7
1位 モース警部(著者・コリン・デクスター・英) 0.7
3位 ファイロ・ヴァンス(著者:ヴァン・ダイン・米) 1.2
4位 神津恭介(著者:高木彬光・日) 2.0
5位 十津川警部(著者:西村京太郎・日) 3.3
6位 金田一耕助(著者:横溝正史・日) 4.2
低い!! 圧倒的に低い!!
まぁ金田一耕助シリーズは大量殺人やら連続殺人、また犯人が自殺する作品も多いように記憶しているので、圧倒的に不利ですよね(笑)
しかも、所謂「本格」というジャンルでは探偵はセオリーとして自分の中で推理を組み立て、最後の最後まで謎解きをしませんので、連続殺人犯と対峙した場合は周囲の人間も情報がなく、事件を防ぎようがないわけです。
ここでも耕助さん、圧倒的に不利(笑)
この本が発売された当時、私はたまたま金田一耕助シリーズ読破に挑戦していたため、えらくタイムリーに感じたのを覚えています。
読みながらうっすら思っていたんです。
どの作品を読んでもかなりの確率で出てくる耕助さんのセリフ。
「しまった!!」
…耕助さん…毎度毎度うっかりすぎるよ…。
「しまった!!」で毎度毎度人死に過ぎだよ…。
確かにあらかたの人が死んだあとで事件のからくりは解決しているけれど、果たして彼は本当に名探偵なのだろうか?と(笑)
編集部の探偵の選出方法も基準がわかりませんが…。
しかもリストに探偵以外も混ざっているのが謎ですが…。
他の探偵も入れば耕助さん勝てそうな気もします。
「新本格」系の作家さんあたりと対決してみたらどうでしょう?
綾辻行人さんの『館シリーズ』の探偵役・島田潔さんなんて、いい線いけるんじゃないかと思うのですが…。
しかし探偵の防御率。
世の中には面白い事を考える人がいるもんですね。
ちなみに子供の頃一番好きだった探偵はシャーロック・ホームズです。
しかし彼は、中学生になった私に大きな衝撃を与えました。
児童書版ではちょっと嫌味な英国紳士(でもスマートでカッコいい←ここは勝手なイメージです・笑)…というイメージだったホームズ。
大好きだったのに……ろくでもない阿片中毒探偵だったなんて!!
事件解決のためにホームズを阿片窟に迎えに行き、使い物にならない状態の彼をベイカー街に連れ戻す……そのくだりで私のホームズ像がガラガラと崩れ落ちた事は言うまでもありません…。
〒236-0004 横浜市金沢区福浦1-12-10 TEL:045-783-2311(代)