『日日是好日ー「お茶」がおしえてくれた15のしあわせ』
森下典子・著
こちらも先月読了。
「日日是好日」とは禅語で、「どんな日であれ損得や何かの基準の良しあしにとらわれず、今日という日をありのままに、精一杯好(よ)き日として過ごしましょう。」という程の意味でしょうか。
茶道の世界と禅の精神は深くつながっています。
このタイトルとカバーの抹茶碗に惹かれ、ふらりと立ち寄った書店で立ち読みしてみたのがこのエッセイとの偶然の出会いでした。
著者が茶道を習い始め、少しずつ茶道に惹かれ始め、そして茶道に学んだことあれこれ。
茶席の雰囲気ひとつひとつ、感じ方ひとつひとつ、数年前まで通っていたお稽古での贅沢な時間がすぐ手に届くところにあるかのように錯覚するほど素敵な筆致で描かれています。
私が習っていたのは裏千家、著者は表千家とお点前の詳細に違いはありますが、根本の精神・考え方はやはり同じですね。
またあの世界に触れたいな…と素直に思いました。
茶道のお稽古に通われている方、通われていた方には本当にお勧めしたい一冊です。
読んでいる間、茶室の空気を感じることができますよ。
余談ですが、つい先週お稽古の先輩からLINEがありました。
「この本が素敵なのよ」と、本書を勧めてくださる内容でした。
「友人」とも「知人」とも違う社中の方々。
おそらく何事もなければ今でも共にお稽古させていただいていたであろう先輩。
同じあの時間を過ごしていた方が、同じようなタイミングで同じ本を読み、同じようにお稽古や先生が恋しくなって連絡をくださる。
そんな偶然も素敵で、とても思い出深い一冊となりました。
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