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雪の鉄樹 【横浜印刷会社のスタッフブログ】

最近読んだ本のうちの一冊をご紹介。

『雪の鉄樹』
遠田潤子・著 光文社文庫

あらすじは公式サイトより転載。

■あらすじ
祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。
遼平の祖母から屈辱的な扱いを受けつつも、その傍に居るのは、ある事件の贖罪のためだった。
雅雪の隠してきた過去に気づいた遼平は、雅雪を怨むようになるが……。
愛と憎しみの連鎖の果てに、人間の再生を描く衝撃作。

 

ミステリ要素の少ないガッツリしたドラマを久々に読んだ気がします。
中盤までは読者にとっては腑に落ちない現状がただただ描かれ、「なぜ?」「どういうこと?」と思いっぱなし。
もどかしく感じるかもしれません。
しかし複雑に絡み合っていながらも一つの事件に根差している事実が、終盤一気に明らかにされていきます。
そこからは、序盤から中盤までにため込んできた「なぜ?」「どういうこと?」が一気に氷解。
なぜそこまで…とも思えるドラマではありますが、あおることのない筆致で語られる過去と現在はなかなか読み応えがあります。
もう少しこの作家さんを読んでみようかと思い、先日別の作品も購入してみました。

読むのが楽しみです。

どっしり重量級のドラマを読みたい時に、ぜひ。


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